海の京都丹後半島、伊根が「日本のヴェネツィア」と呼ばれる訳は、伊根湾を囲むように水際に建てられた舟屋の景色です。
伊根観光については、こちらのページをご覧になってください。
一階が海のガレージ、二階が住居となっていて大変ユニーク。
数年前に、天橋立を訪れたついでに立ち寄り「絶対ここに泊まりたい!」と心に決め、願いが叶いました。
今回お世話になったのは、こちら「ながはま」さんというお宿です。
予約方法と「ながはま」さんを選んだ理由
今回、私が予約したのは「伊根町観光協会」のサイトから選んで、こちらのお宿を予約しました。
「ながはま」さんはの予約の仕方は、観光協会経由で予約しましたが、他のお宿はホームページを持っているケースもあり、そちらのサイトから予約というケースがあるようです。
こちらのお宿を選んだ理由
- おひとり様の受け入れ可能(しかも一人で一棟借りる事ができます。)
- 朝食と夕食を付ける事が可能(しかも家庭料理)
- 内装が幼い頃にいった田舎の親戚の家みたいで懐かしい。
- 地元に詳しいご主人から地域のお話を聞く事ができる。
- 何と言っても、コスパが良いと感じた
現在感染症の影響で、開いているお店が分からない、何時まで開けているのか分からない、休業日が分からないという状況ですので、お食事つきを考えていました。
こちらは魚介の美味しい地域、新鮮なお魚を目的にするのであれば家庭料理も美味しいはず。
ひとり暮らしの家では簡素な食事、そしてそれ以外は外食となると、まともな家庭料理が恋しくなるというものです。
特に、家庭料理に飢えている方にお勧めです。
宿でゆっくりお食事できるのは、気持ちが楽ですし。
内装に関しては、すんごくお洒落なお宿があるんですが、値段云々というよりも「それじゃない感」がありまして、田舎の親戚の家みたいなのとか、小学生のスポーツチーム合宿で泊まった時の海辺の民宿の様なものをイメージしていたんです。(今の若い子は違うかな?)
民宿に来てホテルライクなものは要らないなと。
観光協会に電話をし希望の日程を伝えると、観光協会さんが「ながはま」さんに確認をしてくださいます。
その後宿泊可能である電話を頂き、翌日あたりにオーナーさんから宿に置いてある備品であったり、交通アクセスを教えてくださいます。
今回は、「伊根」バス停前あたりに来たら電話くれたら迎えに上がるとの事でした。
お宿の探し方に関しては、楽天トラベルやじゃらんなどに掲載がありますが、舟屋の情報が少なく検索が面倒なので観光協会のサイトから選びました。
食事は要らないから安く抑えたいとか、感染症がマシになったら外食を楽しみたいなどもあるでしょうから、その時々で選ぶと良いと良いと思います。
アクセス
「伊根」バス停で下車し、オーナーさんに電話をして、観光協会の辺りにいる事を伝え迎えに来ていただきます。
それまでは舟屋の景色を眺めたりうろうろしていたところで、オーナーさんが車で登場。
色々雑談をしながら宿へ向かいます。
到着しました。
ルームツアー
入口など
下駄箱には、つっかけサンダルがありますので、食堂に行く時などはそれを使用できます。
客室
先ほどの階段を上がったところに、客間が3間あります。
階段を上がって、細い廊下を渡って入ったお部屋はオーシャンビューです。
早速、ベランダに出て海を眺めましょう。
隣のお家は遊覧船を出しているようで、遊覧船が泊っているのが見えます。
密接して舟屋が並んでいますので、ご近所さんがすぐそこです。
ベランダのそばには、洗面台があります。
夜はベランダの戸を閉めましょう。
朝起きて洗面台の水を出したら、小さな虫が浮かんでしまい驚きました。
確か、オーナーさんにも「夜は戸を閉めないと虫が入ってきますよ」って言われていたのに、忘れてしまいました。
自分がビックリして死んだ虫たちを洗い流したりしても、どこまで入り込んじゃうか分からず、お掃除される方にご迷惑かけちゃいますね。(反省)
入って左手は箪笥やソファが置かれています。
隣には、寝室になる部屋があります。
そのお隣には、お手洗いや姿見が置かれていました。
私の場合、お手洗いを利用するしか利用しないお部屋なのに、こちらにもキッチリと生花が生けられていた心遣いには感動しました。
紙巻き器が2つ並んでいるタイプ、ホテルにはよく見かけますが、民宿では珍しいのではないでしょうか?
大変清潔感のあるお手洗いでした。
因みに寝室になるお部屋の下は、おそらくガレージの下か、とても近いように思われ、早朝に一階で戸の開け閉めなどの音が響く事がありました。
私が朝に弱く、起きるのが遅めと言うのがあります。
オーナーさん曰く「海の音や鳥の鳴き声がしますから、煩いと感じる事がありますけど良いですか?」との事でしたが、そちらは気にはなりませんでした。
戸の開け閉めの生活音は、建物の構造上仕方がない事ですので、気になる方は耳栓を持って行くことをお勧めします。
家族やお友達同士など、複数人で来られた場合は戸の開け閉めももっと賑やかになりますし。
多分、他の舟屋さんも同様の事があるのではないでしょうか。
食堂
一階は食堂になっています。
写真を失念していますが、真ん中には大きなテーブルと、右手にはキッチンがあります。
つきあたりは、海を眺める事が出来るカウンターが設置されています。
伊根浦の漁村の暮らしや漁に関する事を、分かりやすく書かれた絵本がありました。
この伊根湾は、鯨漁が盛んだったようで、捕獲された鯨たちのお墓を作りキッチリ弔っていたようです。
オーナーさんから伺った、捕獲した雌の鯨に子供の鯨が付いてきて離れずに、その子鯨も亡くなってしまい、漁師たちが悲しんだというお話。
捕鯨で生計をたてていたとは言え、むやみやたらに捕鯨していたわけでは無いという事が伺えます。
左の写真の霧島や月桂冠は、無料で自由に頂く事ができます。
小さな「伊根満開」という地酒「向井酒造」の赤い日本酒は、1本1000円だったと思います。
ビールは1本無料、それ以上は追加料金を払います。
海を眺めてみましょう
食堂から出て海を眺めてみましょう。
もうすぐ陽が沈みそう。
キラキラした水面を眺めながら、お酒を頂きます。
オーナーさんが、こちらを案内してくださったときに、カモメたちの餌を渡してくださり、カモメたちの餌やりを楽しむことが出来ました。
夕食を作る時に出た、魚介のアラの様なものでした。
こちらには、釣り竿も用意されていますので釣りを楽しむことができます。
勿論、この海で泳ぐ事もできますので、お子様は喜ぶと思います。
餌を入れて設置されている網には、タコが採れるそうです。
揚げた時に、タコが入っているのが見えました。
因みに、この地域はタコがお安く手に入るそうで、スーパーでタコを高いと感じる私達にとっては羨ましい限りです。
夜の風景も、大変美しいです。晩の8時くらいです。
何も釣れませんでした。
おんなひとり旅、深夜2時も暇です(笑)
とうとう4時です。
向こうに明るく光っているのは、漁連さんです。
船を眺めたりもできるので、全く飽きません。
客間の布団で寝たのは3時間ほどかもしれません。
これは旅に出る度、毎度の事なんですが・・・
因みに漁連見学も、オーナーさんに伝えたら連れていってくださるそうです。
私は翌日知りましたので、次回お世話になる時は連れていって貰おうと思っています。
お風呂
お風呂は、食堂と海の間辺りにあり、窓から海を眺める事ができます。
帰りに慌てて写真を撮ったので、ちょっとだけですがこんな感じ。
普通の家庭用お風呂って感じが、落ち着く。
お食事
お食事は、オーナーさんが漁連で朝に買い付けにいってくださる魚介がタップリです。
夕食
調理師の免許をお持ちの、近所の主婦の方が作りに来てくださる家庭料理です。
品数が多くて、やはりお魚が新鮮で美味しいです。
天ぷらまであって、お腹いっぱいです。
お寿司まであって、バラエティに富んでいました。
調理に来た方が「沢山あるから残しても良いからね」なんて仰っていたのですが、残す事なんてできません。
完食するのには時間がかかるので、お寿司を全部食べ切れず事が出来ませんでした。
夜は長い。
後からお腹が空くのを見越して冷蔵庫に一旦入れて、晩酌しながら日付が変わるまでに頂きました。
勿論、炊飯器には伊根米のご飯が炊かれていました。
伊根米とは初めて聞いたのですが、結構美味しいのです。
残すの勿体ないので、2日目の移動中の為におにぎりを作ったのは言うまでもありません。
海を眺めながらのおにぎり、美味しかったな。
朝食
朝食は、オーナーさんの奥様の手作り料理です。
勿論品数豊富、高たんぱくな献立です。
何故、ご飯がすすみます。
舟屋の無料見学ができるご近所さん
遊覧船乗り場でもあるようです。
確かに客室から、お隣の遊覧船が見えたわ。
舟屋の生活を感じる事が出来る、「船のガレージ」らしい景色だと思っています。
感想
ずっと夢見ていた、伊根の舟屋での宿泊。
一軒貸しが殆どで、私の様なおひとり様は受け入れてくださる所は無いと思っていたのですが、快く受け入れてくださいました。
というのも、オーナーさんも旅が好きな方で、一人の宿泊したい人にも泊まれる宿を提供したいという気持ちがあったとの事です。
でも「一人のお客様がばかりは困るけどね」と笑って仰っていましたので、他のお宿よりは「おひとりさま」のハードルが低めという解釈くらいで良いのでしょう。
冬に雪が降った時に、舟屋がうっすらと雪化粧した景色も美しく、ブリ鍋なども頂けるとの事。
ブリのお鍋は一人では寂しいので、その時はお仲間を探して訪問したいと思っております。
感染症が流行る前は、外国からの観光客が多かったそうですが、随分と今は訪問しやすくなっている伊根の舟屋。
都会の喧騒を離れ、海を眺め海の幸を堪能、ただそれだけのシンプルな滞在は如何でしょうか。