今回は女人禁制のホテルブログです。
近年では女性でもカプセルホテルを利用できるようになっていますが、およそ50年前に世界初のカプセルホテルが大阪梅田に登場しました。
女人禁制カプセルホテル「スリープカプセル」です。
ご存知の方も多いと思いますが、このカプセルホテルの設計は黒川紀章氏です。
名前 | ニュージャパン梅田 |
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住所 | 〒530-0027 大阪府大阪市北区堂山町9-5 |
電話番号(宿泊) | 06-6314-2100 |
開業日 | 1979年2月1日 |
2021年5月下旬現在、感染症の影響で休業中です。
アクセス
JR大阪駅、梅田駅各線が最寄り駅になりますが、一番近い駅は阪急梅田駅になります。
JR大阪駅下車の場合は御堂筋口を探して下車するようにしましょう。
大阪駅近辺は下車口を間違えると、大変面倒です。
阪急東通り商店街をまっすぐ進むと左手に見えます。
詳しくは、こちらをご覧ください。
引用元:ニュージャパン梅田公式サイトアクセスマップ
女性であるブログ主が入る事が出来た理由
現在は感染症の影響で開催されていませんが、大阪ではかつて、「生きた建築フェスティバル」という催しが開催されていました。
普段は公開されていない事業用の建物や社屋などを見学する事が出来るのですが、その中の一環です。
勿論、その日のニュージャパンにはお客様がいらっしゃいました。落ち着かなかったでしょう。
余談ですが、この写真の内装の木の風合いが好きです。
40年前にできた内装、例えばその当時からある新地辺りにある、スナックビルのテナントの上質なスナックにあるカウンターの木の風合いが好きです。
かれこれ、20年ほどそういう店に連れて行ってもらっていませんから、もう無くなっているかもしれませんね。
カプセルホテルが出来たきっかけ
当時の産経新聞の記事によれば、ニュージャパン観光の社長中野幸雄氏は、サウナの仮眠室やロビーで夜を明かして出社するサラリーマンをたくさん目にする中、もっと快適で、安い宿泊施設を用意できないかと思ったそうです。
夜遅くまで仕事をして阪急沿線の自宅に間に合わなかったサラリーマン、夜通し飲んで帰宅できなかったサラリーマン、様々な事情を抱えて多くの男性がニュージャパンに辿りついたのでしょうね。
そこで、1970年の大阪万博の「タカラビューティリオン」を思い出し、黒川紀章氏に設計を依頼されたそうです。
タカラビューティリオンの説明と写真はこちらです。
引用元:万博記念公園公式サイトタカラ・ビューティリオン | 万博記念公園 (expo70-park.jp)
カプセル結合型建築のお仲間では、東京の「中銀カプセルタワーマシオン」があります。
取り壊しになると話題になっていますので、今年中に観に行きたいものです。
Photo by Sava Bobov on Unsplash
見学内容
※小さめの画像はクリックすると拡大します。
カプセル
カプセルの入口が丸っこいのが、可愛いです。
恐らく最近の出来たカプセルホテルは、シャープなデザインですが、この丸みが何とも優しい気持ちにさせられます。
テレビのそばの操作盤に時間表示板があり、アラームの操作も出来そうです。
枕もとに各種注意事項とイヤホンがセットされています。
ちょっとした小物置きど、よく考えて作られています。
一番下の、黒川紀章氏の写った資料にはラジオの周波数を調整する装備が付いていたようですが、今は使えない様にカバーがされています。
鏡は一般男性でしたら、胸から上あたりまでは映せるほどの大きさになっています。
鏡の左側に避難場所の張り紙があるのも、抜かりないですね。
ここで火災に遭うのは、想像したくないですね。
眠りのファッションプライベートスペース
北欧にこだわっているのもこの辺からでしょうか。
今現在使用されているのが、北欧のマットなのかデンマークの枕なのかは分かりませんが、当時はこの様な仕様だったようです。
まるで大人の秘密基地ですね。
ご本人も楽しんで設計されていたのではないでしょうか。
その他施設
洗面台にはタオルがタップリ用意されています。
感染症が流行してから、このあたりは変えられているかもしれません。
格子越しの喫煙所の椅子がレトロですね。
格子の木の風合いも年季が入っています。
サウナ利用者は4階からは上がれなくなっているようです。
その他資料
この新しい空間をどうつかいこなすのか。
これこそひとり旅の男のセンスだ。黒川紀章
壮大やなぁ・・・。
1979年2月1日にカプセルホテル誕生と言う事ですので、40年ちょっと前に出来たのですね。
当時は1600円で宿泊できたようです。
今の貨幣価値に換算したら如何ほどなのでしょうか。
日刊スポーツの記事によれば、宇宙船を模しているようです。
まとめ
「宇宙船」「2100年のビジネスホテル」「ひとり旅の男のセンス」と壮大で気分の上がる言葉を目にするとは思ってもいませんでした。
家具や小物の配置の仕方が贅沢で、豪奢、スタイリッシュなホテルを好みがちになりますが、こういう子供の頃の秘密基地を思わせるようなホテルを好む人もいるのではないか?と感じました。
こんなに小さな空間に無駄なく機能的に配置された操作盤、私は好きです。
そして、当時の流行なのか黒川紀章氏の好みだったのか、丸みの帯びたデザインはとても可愛くて、疲労のたまったサラリーマンの癒しになったのではないでしょうか。
感染症拡大前は、外国人観光客にも安くて面白いという事で人気だったようです。
最近できた女性用カプセルホテルではなく、70年代を感じる丸っこいホテルに丸っこくなって寝たいのですが、女性であるがゆえに叶いそうにありません。
イベント土産に、このポストカードを頂きましたので、大事に手帳に挟んでおります。